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 水俣病は公式確認60年を超えましたが、今も新たに認定を申請する人々が絶えません。また、公式確認の頃に生れた胎児性患者たちは還暦を迎える年になりましたが、病気とたたかいながら、毎日を懸命に生きています。

 

 上演するのは、その水俣病が発生した頃の物語、石牟礼道子著『苦海浄土』の一節です。水俣の漁家を訪ねた著者を「あねさん」と呼んで語り掛けるのは、天草から海を渡って水俣に移住し一家を築いた老爺。その脇には、声を発しないけれど、幼い胎児性の男児が身を横たえています。

 

 ひとり芝居として最初に演じたのは、新劇俳優の故・砂田明氏。1972年に夫婦で水俣に移住、そして1993年の他界までに全国で556回公演、1980年にこの劇で「紀伊國屋演劇賞」を受賞しました。

 

 当初からのスタッフで、2006年以来ひとり芝居を継承・上演してきた川島宏知による、久々の公演です。

​原作 石牟礼道子「苦海浄土」
脚本 砂田明 脚色 川島宏知
出演 川島宏知
​舞台監督・音響 白木喜一郎

■「天の魚」上演歴 

2006年の「水俣・和光大学展」を初演とし、「原爆の図・丸木美術館」、「東京大学・駒場小空間」「京都東本願寺・法然没後800年親鸞没後750年記念事業」「池上實相寺」など。

ほかに、東京・新潟・香川・徳島・高知などで上演。高知・宿毛文教センターでは人権週間など3年連続公演。各地の教育委員会主催公演も多数。

出演

■略歴

1946年 高知県宿毛(すくも)市生まれ。

舞台芸術学院にて砂田明氏の教えを受け、卒業後、氏の「地球義塾」に参加。

砂田夫妻の水俣移住後は「劇団三十人会」に参加。

会解散後は事務所に所属して舞台・TV・映画出演や、外国映画吹き替え・ナレーション等の仕事に係る。

舞台演劇

「三人姉妹」(ヴェルシーニン役),「道元」(道元役)

「ガラスの動物園(ジム役」など。

映画

「郷愁」,「宮沢賢治物語」,「四万十川」,「幸福の鐘」,「ゆれる」など。

TVドラマ

「大地の子」,NHK大河「炎立つ」「吉宗」,「相棒」,「夫婦善哉」など。

CF

「JR東海Xmasエクスプレス」,「NTTドコモ」,「富士通」など。

他 「論語集」(カセットブック),神戸市営バス車内放送,ラジオドラマ,ナレ-ションなど。

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